the way 等身大の20歳。

2016年カミーノ〜

8月8日(月)

なんで歩くのって聞かれても、特に理由はない。

ただ、世界中からいろんな気持ちで人々がやってきて、同じ道をひたすら歩くことに惹かれた。

大学に入ったら、やっと自分の好きなことができるって、ワクワクしててん。建築を学ぶことよりも、自由な時間がもてるってことが何より嬉しかった。

やってみたいことは山程あって、ぜーんぶやろうとして消化困難になりそうやった。笑。

サークルに入って、飲み会たくさんして、たまには合コンして。はじめてアルバイトして、お金を稼ぐことを知って。少しは社会を知れる気がして。はじめて稼いだ自分のお金でたくさん服を買って、おしゃれになって!ギターの練習もしたくて、十分忙しいのにわざわざインカレ掛け持ちしてアコギも買った。

 

どれも楽しかったけど、もういいと思ったのは、限られた大学生活で、もっとしたいことがあったから。

最低限の自立すること。

ママと人生最大ぐらいの喧嘩して、やむなく了承して、夕食手伝うって決めた。でもやむなくなんて嘘。自立したかった。献立を考えて4人分つくることはひとつの自立に思えたから。

 

だけどひととおりやってみたら、次が無くなってん。

結局じぶんは何をしたいんやろうって。

ものづくりは好き。じぶんのつくった建築で人が喜べばそれほど幸せな仕事はないって思って建築を選んだ。はじめて知ることがすごく面白かった。でも、夢中になるほどじゃない。

じぶんの将来に向かって夢中になれるものが、ないって気づいちゃってん。

 

夢中になれるくらい好きなことが、わかんなくなった。

手芸、旅、料理、歌、洋楽。

どれもずっと好きやった。でも将来の道にする勇気がもてるものはない。

 

こんなにも欲しかったじぶんの時間なのに、なにをしたらいいのか全くわかんなくなった。将来したいことがわかんなくて、そしたら今することもわかんなくて。

課題もテストも終わって、時間が余ったら、からっぽになった。どこに心を置けばいいのかわかんなくて、どうしようもなかった。誰もひっぱってくれなくて。こんなにも望んでたじぶんの時間なのに。

 

だけど唯一、一人でスペイン歩いて横断するって決めたときは、夢中やった。

知らない景色をみて、触れて、知って、感じること。それに夢中やった。

2年後、社会人になるなんて想像できないし、なにをしたいかわかんない。

夢があって一生懸命な友達がうらやましい。

じぶんは、夢がない。

 

この旅が将来につながるとも思えない。

でも、どれだけママを泣かせても、どれだけ周りに反対されても、理解されなくても、それでもやりたいって思えた唯一のものが、この800kmの道。

そしてブログを書いてみようと思った。思ってた以上に心配してくれてる家族に、不器用なじぶんの気持ちを少しでも文字で表そうって。誰もわかってくれないって、意地になるのが短所やって、わかってるから。